品川区立第四日野小学校PTAのブログです

2024年1月30日火曜日

12/14 「ドーピングについて」学校保健委員会講演

四日野PTA広報委員です。2023年12月14日(木)に行われた学校保健委員会の講演「ドーピングについて」を聴講してきました。

講師に学校薬剤師の堀内正子さんをお招きし、スポーツのフェアプレイ精神に反する行為である「ドーピング」に関する基本知識、そして身の回りに潜む薬物乱用の危険に関する注意点についてお話しいただきました。

 ドーピングと聞いて、「それってオリンピックの話でしょ?自分とは関係ない」と思われる方が多いかもしれません。しかし、小学生たちの中には、未来のトップアスリートを目指していく子どもたちもいます。趣味でスポーツをする人、スポーツを見る人、スポーツを支える人も、正しい知識をもつことが必要になってきます。

 1988年にオリンピックで世界記録を出した陸上選手ベン・ジョンソンが金メダルおよび世界記録を剥奪された事で、厳格な検査やドーピング防止活動が世界的に推進されるようになりました。日本ではスポーツ基本法で、ドーピングの防止の重要性に対する認識や理解の推進が記されています。国内では日本アンチ・ドーピング機構 (JADAと略します)(https://www.playtruejapan.org/ )がドーピング検査や防止活動の推進を行なっています。

 ドーピングは、フェアなスポーツが成立しない不正行為で、薬物乱用が体に害を及ぼす危険があります。近年は高等学校や中学校の学習指導要領にもドーピングの理解を含めるための内容が含まれ、小学校ではフェアなプレイを大切にすることなどが指導されます。2023年4月以降の国体の参加者には、定められたアンチ・ドーピング教育を受講することが義務化され、少年種別競技に参加する場合は保護者も受講対象です。一般のアスリートでも国際大会に出場し得ることもあり、「知らなかった」ではすまされないのですね。

ドーピングとは?

 スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為を指します。練習と健康管理以外で身体の能力をあげることですね。意図的であるかどうかに関わらず、ルールに反する様々な競技能力を高める「方法」やそれらの行為を「隠すことも」も含めて、ドーピングと呼びます。

 ドーピング検査は、競技会時か競技会外で、抜き打ちで行われます(同性立ち合いによる尿検査)。陽性反応があった場合は、スポーツ仲裁(裁判のようなもの)にて、意図的な行為であったのか否かが問われ、処分が決まります。

競技者が本当に薬が必要な場合は?

 治療目的の為に薬を必要とする競技者には「治療使用特例 (TUE)」があります。予め届出をすることで薬を使用することができます。(IFの窓口、あるいはJADAの窓口に申請します)

具体的に何が禁止されているの?

 禁止されている物質や方法については、国際基準があります。

参考:https://www.playtruejapan.org/code/provision/world.html 「禁止表国際基準」スポーツにおいて禁止される物質と方法が記載された一覧が掲載されています。世界ドーピング防止機構(WADAと略します)が毎年発行しています。

 しかしながら、一覧表を見ても個人で判断することは容易ではありません。禁止物質は、処方薬だけではなく、ドラッグストア等で販売されている市販薬にも含まれているものもあるからです。

 例えば、咳止めとしての効果がある「エフェドリン」は、禁止されている成分のひとつですが、ほとんどの市販風邪薬に含まれています。また、のど飴にも禁止されている成分が含まれることがあります。「え?のど飴にも?」とヒヤッとしますね。

 特に漢方薬には様々な生薬が入っていて、禁止物質が含まれている生薬がたくさんあります。漢方薬は作用が緩和なイメージがあるため、安全であると思われがちですが、実は要注意です。一方、サプリメントには筋肉増強などの禁止物質が入っている物がたくさんあります。また、サプリメントは日本の法律では食品の扱いとなるため、製造過程で薬のような厳格な取り締まりがないため、記載成分に禁止物質がなくても混入している可能性があります。そのため、専門家も、ドーピングに対して安全か否か判断することができないため、サプリメントの摂取を推奨することができない、とのことです。

禁止物質の調べ方は?

 競技者が薬について調べられるよう、薬の商品や成分を検索できるサイトがあるそうです。

Global DRO https://www.globaldro.com/JP/search

世界には様々な薬があり、専門知識を持ったスポーツファーマシスト資格取得者であっても複数人で確認する必要がある程複雑なケースもあるようです。

禁止物質の大麻成分について

 禁止物質の中に大麻の成分もあります。大麻は日本では薬物乱用のひとつであり、犯罪です。最近、大麻由来の成分に似たHHCHグミで体調不良者がでる事件が話題になりました。成分の化学式がすこし違うので規制の対象になっていなかったのです。また、外国では合法的に大麻の成分である、テトラヒドロカンナビノール(THC)入りのお菓子が販売されていることがあります。小学生が海外渡航する機会も増える中、滞在先で誤って買ってしまわないよう注意してください、とのことでした。

 大会に出場する予定がある競技者は「意図しない(うっかり)ドーピング」で違反にならないよう、必ず医療従事者に自己申告し、相談してください、とのことです。

今回の講演を拝聴して、薬や食品全般については安易に考えずに、改めて注意していこうと思いました。堀内さん、学校医の方々、湯浅先生、副校長先生、企画いただいた文化委員の皆さま、ありがとうございました!

12/16 学校給食試食会、給食室見学

こんにちは😀 四日野PTA広報委員です。 


小学生の楽しみといえば、おいしい思い出が沢山つまった給食。ご家庭でも「今日の給食、おいしかった!」と笑顔で話す子どもたちは多いことでしょう。今回は2023年12月14日(木)に行われた四日野の学校給食試食会についてレポートします!

学校の給食には、栄養バランスのとれた食事の摂取だけでなく、望ましい食習慣を形成することや、感謝の気持ちを育てることなど、大切な役割があります。献立計画をされている学校栄養士の飯島先生に、実際の取り組みについてお話いただきました。

四日野で毎日作られる給食は約480食。二学期からは新校舎の新しくなった給食室で、早朝から食材の下処理そして調理が行われ、徹底された衛生管理のもと、昼時にそれぞれの教室で配膳されます。給食は加熱を条件としており、菌の繁殖を防ぐために熱い状態で保温するなど、様々な工夫がされています。 
献立計画は厚生労働省が定めている学校給食実施基準に基づき栄養管理されています。四日野では、品川区の標準献立に沿って、基本的に全て手作り。季節感を出す旬の食材を使用したり、行事食・郷土料理・世界の料理等を取り入れながら、献立作りをされているそうです。(本年度より給食費無償化になり、食材料は公費でまかなわれるようになりました。)

ちなみに、お魚の給食が多め、とお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的に普段の食生活で取りにくいとされる、豆・野菜・魚類は、摂取量が多めになるように基準が定められているそうです!

また、安心安全な給食作りには、食物アレルギーや宗教による理由で食べられない児童への対応も欠かせません。給食では、アレルギー原因食材の中で重篤度の高い食材は使いません(アーモンド以外のナッツ類・キウイ・そば・やまいも・たらこ・いくらなど)。品川区では、アレルギー対応が必要な場合、医師の診断と生活管理指導表の提出を以て一部持参・除去食・完全弁当、三種類の対応方法が可能です。宗教対応方法としては、鶏・豚由来の食べ物などの代替品持参があります。
成長期の子どもたちには、必要な栄養とエネルギー量が低学年、中学年、高学年で異なるため、配食量は三段階あるそうです。例えば白米飯は目安として135g/145g/155g。おかずも写真の通り。もちろん、おかわりする児童もいますね! 
さて、食べものから学ぶことを目的とした取り組みについてです。四日野ならではの献立メニューがありました。
伝統行事を知るきっかけにもなる「季節を感じる行事食」。2つのメニューから選択できる「セレクト給食」では、てりやきチキンバーガーが人気だったそう。どちらも食べたくなって迷ってしまいますよね!「リクエスト給食」は、全児童にアンケートをとって上位ランキングしたメニューが三学期に提供されます。図書室の司書さんと企画される「本と給食のコラボ」も興味深い!
そして一年生、二年生、六年生向けに行われる食育授業についても紹介いただきました。子どもたちが給食を残さず最後まで食べるようになったり、自分が食材の下処理作業を行うことで苦手意識を克服できたり、食に興味を向けるきっかけ作りが満載でした。
学校で給食時の指導や食育の授業がありますが、幼少期の食習慣は大人になっても続くので、次の4つをご家庭でも取り組んでみてください、とのことです。
1)食材のことを知るきっかけ作り
一緒に買う、作る、食べる! 食への興味関心を高め、「食」って楽しい!おもしろい!と思えるように。毎日食べているものが自分の体を作っていることを知るように。
2)食事のマナー
食べる前、「いただきます」「ごちそうさまでした」と言う。箸の持ち方、食事中の姿勢に気を付ける。
3)苦手、初めてのものにチャレンジ
少しでも食べてみようとする気持ちを大切にし、がんばった姿を褒める!
4)食事から生活リズムを整える
できるだけ一日三食、食事やおやつをほぼ決まった時間にすることで、休日や長期休暇でもリズムが乱れないように注意する。
試食会は児童と同じスタイルで配膳されました。
いただいた給食の献立は、「そぼろ入りさつまいもごはん、さわらのしょうが風味焼き、ごまあえ、まめまめ汁、牛乳」でした。自然な素材の味を活かした、優しい、ヘルシーな味わいのご飯でした。宮城県産ひとめぼれ新米に、さわらは韓国産、東京都を含む国内産地の食材が使われている、とのことでした。学校の牛乳は、環境に配慮し、ストローなしでいただきます。

最後に、給食室を見学しました。旧校舎の時と比べて広さが約2倍。新品ピカピカの調理用具や機材が導入されました。全校分の汁ものが作れる程の大型釜や、ゆでた食材の食感を残すのに大活躍の瞬間冷却器など、調理作業の規模を物語っていました。児童の食生活を豊かにする学校給食に、改めて感謝です。
給食試食会は平日の開催ですが、ご興味ある方は来年ぜひご参加されてみてください。
飯島先生、副校長先生、企画いただいた文化委員、ご参加いただいた保護者の皆さま、誠にありがとうございました。